上賀茂とともに、百余年。
京料理さくらいは、大正12年(1923年)、上賀茂の社家町でその歩みを始めました。
創業者・櫻井伍兵衛の生家は、元禄年間(1700年頃)より上賀茂神社の鳥居前で料理屋を営んでいた「堺屋」です。
料理屋に生まれ育った伍兵衛が、その経験を生かして始めたのが、「まわり」と呼ばれる商いでした。
お客様のもとへ御用聞きに回り、ご注文を承り、料理を仕立ててお届けする。
現在でいう仕出しの商いから、京料理さくらいの歴史は始まりました。
上賀茂神社の門前に広がる社家町。
明神川が流れ、土塀と橋が連なるこの町で、料理を作り、お客様のもとへお届けする日々を重ねてまいりました。

昭和47年(1972年)の披露宴風景

昭和47年(1972年)外観
現在の別館「さかい楼」へ
昭和39年(1964年)、後の別館「さかい楼」となる土地と家屋を、隠居所として求めました。
当初は譲り受けた建物をそのまま生かして営業を始め、座敷にお膳を並べてお客様をお迎えしていました。
昭和から平成へと時代が移るなか、店も少しずつ姿を変えていきます。
平成4年(1992年)頃には、櫻井武清が料理屋としてのしつらえを整え、庭園や観賞魚池などを整備しました。
そして平成7年(1995年)頃、この建物を「さかい楼」と名付けました。
建物の趣を大切にしながら、お客様に料理とともに、この場所で過ごす時間そのものを楽しんでいただけるよう、手を入れてまいりました。

平成4年(1992年)鞍馬石(沓脱ぎ石)設置風景


受け継ぎながら、時代に合わせて
平成10年(1998年)、修業先より櫻井登之が戻り、さくらいの厨房に立つようになります。
そして平成20年(2008年)頃からは、神社で挙式し、料理屋で祝宴を行う「和の結婚式」があらためて見直されるようになりました。
さくらいでも、そうした時代の流れやお客様のご要望に応じ、座敷でのお膳からテーブル・椅子席へと、お席のかたちを変えてまいりました。
現在も、別館さかい楼をはじめ、お席はテーブル・椅子席にてご用意しています。

平成12年(2012年)礎石搬入

変わらず守ってきたもの
変わらず守ってきたものと、時代に合わせて変えてきたもの。
規模を追うのではなく、主人自らの目が届く範囲で。
旬の材料を吟味し、伝統を尊びながら、その時代に合った料理を考える。
料理だけでなく、店のしつらえも、お客様の迎え方も、そうありたいと考えてまいりました。
大正12年の創業から百余年。
これからも上賀茂の地で、料理とともに、この場所で過ごす時間を大切にしながら、ご一客ご一客のお客様をお迎えしてまいります。
