ネットのお客様

インターネットで弊店を探された遠来のお客様がいらっしゃいました。

このところの京都は紅葉の名所はもとより市中も大変混雑しております。
お越し頂いたお客様は、残念ながら京都でホテルがとれなくて
奈良に泊まられ京都観光をお楽しみになったと女将が伺いました。
今日は嵐山を訪れられたそうですが、
大変混雑していて人に酔われたそうです。

洛北上賀茂はアクセスのせいでしょうか、
いくら秋の行楽シーズンといえ静かさを保っております
5月のカキツバタの時に賑わうくらいでしょうか。

このお客様のように
私も旅先の情報をネットで検索しますが、
なかなか思うような所へは行き着きません。
どんなところだろうと思いを巡らせ、
予想が良いように的中すれば素敵な旅の思い出になりますが、
逆のことも沢山あると思います。

嬉しいことにこのお客様にはご満足いただき、
京都に来るときは「是非また!」とのお言葉を頂きました。
調理場にいるためあまりお客様と接する機会はないのですが
お見送りする際に「おいしかった!」との言葉を頂けると、
本当にホッといたします。

本日は遠いところお越し頂きありがとうございました。

このサイトを始めるまでは口コミやお客様のご紹介がほとんどでしたが、
こうしてお越し頂けること、ネット担当として感激に堪えません。

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丹後のセコ蟹

京都ではコッペ蟹、
北陸では香箱蟹と呼ばれている、
松葉蟹よりずいぶんと小さいこの蟹ですが、
実は松葉蟹つまりズワイガニのメスなんです。
だから親蟹とも呼ばれています。

オスとメスでこれだけ大きさに違いがあるのは、
メスは産卵すると脱皮をやめ成長を止めてしまうからだそうです。

特筆すべきはこのコッペガニ、子を二つたくわえているんです。
一つは未成熟の卵巣で、とろとろでまったりした内子があります
そしてもう一つは腹にだいている卵・外子とよんでいるところですが、
こちらはプチプチ・シャキシャキと食感を楽しめます。

身の部分は自然の甘みたっぷりの繊細な味がします。
足から身を出すのは出すのはひと手間ですが、身はよく詰まり
一杯の蟹から、甲羅をあふれんばかりの身が出てきます。

 

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こちらに柑橘を搾った土佐酢をかけお召し上がり頂きます。
身と内子&外子、この三つのハーモニーをお楽しみください。

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上賀茂神社の紅葉 ②

今年は10月に暖かい日が続いたので
余り期待できないと報されておりましたが、
今上賀茂神社は燃えるような赤、きらめく黄をした葉で彩られています

まずはならの小川から

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去年も撮った好きなアングルです

次は外弊殿の柱の間からなら鳥居方向へ
息子の七五三の時、ちょうど今月1日はまだ下のように青々としていました

 

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それが今日21日は

 

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ちょうど外弊殿の柱が額縁の様になって、写っています。
額縁構図法という撮り方が愛好家の方々ではあるそうです。

今度はその外弊殿全景をバックに

 

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最後は二の鳥居西のグラデーションと社務所です

 

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きれいな景色を表現するのは、言葉より写真が勝りますが、
この感動はやはりお越しにならないと味わえません。
今が盛りだと思います。是非お出かけください

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大田神社例祭

やっと秋の深まってきた気配の霜月十日、
5月のカキツバタで有名な大田神社では例祭がひらかれました。

鳥居前のモミジもほんのり色づいた晴天の良い日和でした

 

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ふだんはひっそりとした境内ですが
秋と春の例祭時には菊や生け花の展示があり
お詣りの方々でにぎわいます。

 

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ご本殿では崇敬者を前に神楽があります
その音色から「チャンポン神楽」と呼ばれ
鈴・太鼓・鼓を手にして、寿命長久・芸能上達を願い奉納されます
山手で薄暗い本殿ですがぼんぼりに灯がともり、
その音色はなんも侘びで風情があります。

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黄柚

今年の紅葉は去年より一週間ほど遅れているようで、
はやり暖かいのでしょうか。
12月にずれ込むと言う植物園の予報が新聞に載っておりました。

ちょうど半年前
5月の初夏・はしりの鱧がで始めた頃より使っていた柚が
大きく黄色く色づいてまいりました。
青柚のフレッシュな香りとはひと味違う円熟した風味を添えてくれます

 

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利休居士の言葉にもあるように
柚の色が変わる頃に囲炉裏にする、つまり炉を開きます。
お茶も今年に摘み取ったものの口を初めて切って
お茶の新年とも言うべき新しいシーズンを楽しむのだそうです。

・・・外を見れば、もう木枯らしがふき落ち葉の舞い上がる晩秋です。
ゆっくり一服とは、なかなかいかないものです。

 

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おいしい京料理ドットコムでもお世話になっている
写真家の山中茂さんからお借りした水尾の柚です
山中さんありがとうございます。

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十一月にはいり急に冷え込んでまいりました。
上賀茂神社の紅葉も、早いものは色づいております

まずは禰宜橋から楼門方向に、

 

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このモミジが一番早く、
婚礼の撮影をした十月初旬から少しずつ色を変えておりました

次に
楼門前の賀茂櫻です

 

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淡く黄色や朱に色づいた葉の間に、結ばれたおみくじが垂れております

そして二の鳥居前の風流櫻です

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ここも昨年同様、日当たりの良いところからでしょうか、
ところどころ、真っ赤になっております

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一日に撮ったのですが、
月初めということもあり、七五三のお参りのかたもちらほらいらっしゃいました

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この文化の日からの週末は良いお天気が予報されておりますので
たくさんの七五三詣でで、にぎわうことと思います。

やはり紅葉の見頃は下旬頃でしょうか。
またお知らせできれば!

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ハーブアユ

紅葉前線はまだまだ高雄付近で足踏みのようで、
暖かい日が続いております。

ちょうど本「さくらい徒然」も一年を迎え
内容が一巡してまいりました。
 
お土産やご贈答にご好評頂いております「子持ち鮎」ですが
今年は「ハーブアユ」がたくさんはいってきました。

愛知県渥美半島の付けねにある御津町(みとちょう)で育てられた子持ち鮎です
大変よく肥えて、腹は子で溢れています

 

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 餌に生姜・レモングラス・ミントなど天然ハーブを混ぜて、
その抗菌作用により健やかに香り高い鮎を育てる事ができたそうです。

弱火の遠火でじっくり子が膨らむまで白焼きしたものを
番茶で骨までやわらかくなるまで焚き、味付けをします。
山椒の爽やかな風味がアクセントとなり、
子の食感をお楽しみいただけると思います。

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ヒシの実

池や沼に生えているヒシの実のご紹介です

 

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固いからに覆われているのですが、
皮を一つ剥いてみますと、乳白色のやわらかいか実が出てきます
ちょうどアルファベットの「A」の横棒を取ったΛ←こんな形です

福岡県や佐賀県でクリークになる実を、
「ハンギー」と呼ばれるたらいに乗って収穫し
出荷されているそうです

しおりによると、
胃病や二日酔い、解毒婦人病にきくとか・・
天然の健康食品とあり「ヘルシング!ヒシ」とあります

お料理としては蒸して焼き物のあしらいにしたり、ご飯と炊いたり、・・
何だか懐かしい味がしまして、お客様もよくそうおっしゃいます。
クリ・サツマイモ・クルミを足して、ちょうど3で割ったような味です・・
↑分かりづらくてすいません

話は少し長くなるのですが・・
前にご紹介した大田の小径から見える上賀茂游泳術講習所・よく小池と呼ばれている、古式泳法を夏場に教えてられる池です
小生も小学校のころ、お世話になっておりました。
今思えばここにはたくさんヒシの実が浮いておりました

上の写真は流通品で一度乾燥されているため、トゲは残っていませんが
このトゲ けっこう鋭いんです。
小池で稽古させていただいていると、
この実が近くによってきては、チクチクと突かれていました。

幼い頃の話で申しわけございません
こちらで紹介することになろうとは・・予想つきませんでした。

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雲ヶ畑の松茸

賀茂川の源流、北区雲ヶ畑より松茸が届きました
弘法大師・空海が再興したしたことでも名高い岩屋山志明院が
その源にあり、賀茂川の水源を祀っています。

私の祖母は雲ヶ畑から上賀茂に嫁ぎに来ましたので
生前に、いまでこそ珍重されているが、
昔は松茸ばかり食べさせられて、見る気もしなかった・・・
などと申していたのを記憶しております。

一時は林業不振のあおりで松茸山も荒れたそうですが
最近はきちんと手入れされ、少しずつ収穫量も増えていると聞きます

離れたところからでも分かるくらい
本当に香り高い松茸でした。

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笠懸神事(かさがけしんじ)

5月の競馬会と変わらぬ汗ばむ陽気のもと、
昨年約800年ぶりに復活した笠懸神事が、
今年も上賀茂神社で行われました。

笠懸とは、流鏑馬・犬追物と並んで騎射之三物(きしゃのみつもの)
として知られていますが、一般的に流鏑馬が一番有名ですね。
騎乗し弓矢で的を射るのは同じですが、流鏑馬は鏑矢(かぶらや)を用いるため、
風を切る音が鳴り儀式的な要素が強いそうです。
対して笠懸は実戦的で、的の位置をより難度を高くするために
射にくい場所に設定します。
進行方向・左に設けられた大きな的を射る「遠笠懸」と、
進行方向・前に立てられた小さな的を射る「小笠懸」をされました

 

 

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割れた的は
縁起が良いものだそうです

 

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烏帽子に直垂姿 腰には鹿の夏毛をまとった武田流弓場道の皆さん
この日のために鎌倉より来られたそうです
なぜ800年ぶりに復活したことがわかるかというと、
後鳥羽上皇行幸の際に競馬と共に行われたという記録が
「賀茂旧記」に記されているそうです

今回は復活後、二回目の笠懸でした。
待ち時間も少なくテンポ良く行われ、
何度もシャッターチャンスはあったのですが、
動きが速すぎて難しかったです。

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