片岡社の御鈴

再度 源氏物語千年記に係わるお話しを
少しさせていただくことお許し下さい

以前に本ブログで紹介した
上賀茂神社の第一摂社
片岡の社にとっても素敵な御鈴(みすず)がつけられましたの
ご紹介いたします

以前の繰り返しになりますが
少しだけご説明を・・・

54帖にわたる壮大な物語を描いた紫式部でさえも
自らの恋の成就を神様に願った、そんな歌があるのをご存じですか?

「ほととぎす 声まつほどは 片岡の
     もりのしづくに たちやぬまれし」 
            新古今和歌集の第三巻夏歌

上賀茂神社に参拝に来られた紫式部が
(将来の結婚相手を例えた)ホトトギスの声を待ちわびる間は、
この片岡の社の下に立って、朝露のしずくに濡れていましょう。
                           という意なのです

この片岡の社は上賀茂神社の祭神の母神さま
「 玉依比売命(たまよりひめのみこと)」がお祀りしてあるお社で
遙かな昔より縁結びの神様として知られております

このお社に御鈴(みずず)があればとの参拝者の希望がかない
千年記を迎える寸前の昨年暮れに設置されました。

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真鍮製の御鈴は巫女神楽に使われる鈴を模したもので、
ご神紋の双葉葵が刻まれた本体の回りに15の鈴が付けてあります

また組紐も縁結びの神様にふさわしく
二つ用意されカップルで鳴らせます。

ちなみに参拝の作法は
二礼二拍手一礼の前に御鈴を振るとの説明が
宮司さんよりありました。

非常に爽やかな音が周囲に響きますので
是非お参りの節はカップルでならしてみてください

ありがとうございました。

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今年は「源氏物語千年記」です

皆様明けましておめでとうございます。

いつもいつも不定期で誠に申し訳ありません

 

さてさて・・・
この平成20年戊子閏年の2008年は
世界最古の長編物語、源氏物語が
記録の上ではじめて確認された
寛弘5年(西暦1008年)からかぞえ
千年を迎えたことになります。

文化遺産としての評価は計り知れませんが、
現在まで残る紫式部の綴った京都の風景の様々を
高校の時に少しだけ・・ほんの少しだけ・・・
かじった古典の訳本たよりに書かせていただきます

~~~
光源氏が22歳の時、
葵祭の前儀として知られる御禊(ぎょけい)に参議として行列に加わりました。

時をきらめく絶世の美男子・源氏を一目見ようと、
都の人たちは身分の上下を問わずたいそうな騒ぎで
すこしでも良い場所で見物しようと早朝から
きれいに装った牛車がびっしり連なったそうです

その車の一つに源氏の愛人、六条御息所が乗っていたのですが
ちょうどその場所に、正室である葵の上が
タイミング悪く遅れてやってきます。

そして六条御息所のいた場所は、
葵の上に横取りされてしまい、
なんと車も壊されてしまったとあります。

そこへ儀式の装束に身を包み、
いつもに増してきらびやかに馬の上にいる源氏が通りかかるのですが
六条御息所は間近で見ることかなわず、
大変悲しみ、くやしく思ったその思いが
葵の上に取り憑き、悲劇が起こります。
~~~

上のように
現代に平安時代の雅を映し出す
初夏の葵祭、この模様を源氏物語「葵の巻」は
詳しく物語っています

ちなみに物語の中では「葵祭(賀茂祭)」と書かずに
単に「祭」と記されいます。
当時「祭」といえば現在の「葵祭(賀茂祭)」をなのだ!
といわんばかりにそれは盛大なものでした。

そしてこのシーンに描かれた御禊は
今も隔年で上下賀茂社にて営まれます。

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平安時代の伝統を引き継いだ「斎王代」が
上賀茂神社、御手洗川にかかる橋殿から
ひとがたを流されたときのものです

葵祭の当日15日にはそれほど間近で拝せない斎王代も、
御禊の日は人も少なく
童子など従者を従えた姿を
ゆっくり見物できるのではないでしょうか。

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年が明けたばかりというのに
ずいぶん気の早い話で申し訳ございません

本年もどうぞよろしくお願いいたします

(追記です)

源氏物語千年記の詳しい催し物などのご案内は
下記リンクをクリックして下記団体のホームページをご覧ください

(源氏物語千年記委員会のホームページ)      

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11月も晦日になってしまいました

いつも不定期で誠に申し訳ありません。

この前が10月晦に思うことですから・・はや一ヶ月経ってしまいました

さて上賀茂神社門前の、ここ社家まちも紅葉に彩られ、いまが盛りです

 

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普段は静かなこの地も、今はたくさんの観光客の皆様で
賑わっておりまして、「きれい!きれい!!」と
連発されております

 

 

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紅葉の名所としてはあまり取り上げられない
上賀茂神社にもたくさんのカエデがあって
重厚な社殿を華やかに照らしています

 

 

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境内を流れるならの小川のせせらぎは、何とも寒そうに聞こえるのですが、
こちらのもみじも今が盛りです。

もう少しすると行く水の流れとともに消えてしまうと、少し寂しいですね

上賀茂神社にお出かけの方は、
ぜひお気に入りのモミジを探してください

かけ足ですみません。
お読みいただきありがとうございました

 

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10月晦日は・・・

大変間が空いて申し訳ありません

今日は深まる秋の話題でも、と思ったのですが、
半袖で十分なくらいの陽気で、長袖だと汗をかきました。

さて上賀茂神社へは、京都市営地下鉄の北山駅が最寄りですが、
その一つ前、北大路駅からは20分くらいの良い散歩コースなんです。

賀茂川沿いに公園が整備され、ジョギングをする人・犬を連れる人、
楽器を練習する人など、思い思いに過ごせるところです。

北大路駅から少し歩いてみると、飛び石が配置されていて
水辺を直に感じることが出来ます

 

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ケータイの写真で申し訳ないのですが、
タイミング良くちょうどサギが堰堤を横切ってくれました

明日からは11月、寒くなると水を見るだけで震えるものですが、
これだけ暑いと水を見ても心地よく思うから、不思議ですね!

 ・・・あ、ちょうど今 京都御所の一般公開が行われています

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すべての建物は、壮大で圧巻です。
無料で公開されてますので是非お出かけください

(京都御所秋期一般公開 11月4日まで
           テーマは「宮中の舞」です)

 

お読みいただきありがとうございました。

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ふんわり漂う良い香り

いつもご覧頂きましてありがとうございます

弊店の前に、上賀茂神社より流れる小川があります。
その小川のせせらぎに乗るかのように、キンモクセイの香りが
辺り一帯に漂っております

 
img036.jpg (山中茂さん提供)

この町並み、わずか100メートルほどの間に3本金木犀がありまして
上の写真が一番大きな木です
明神川にかかるシンプルな石の橋、
夕焼けのうつる川面、そして金木犀と
山中さんからお借りしている写真は沢山あるのですが、
個人的に大好きな写真です

弊店の玄関にも
金木犀があります。
料理屋はあまり香りのものを植えないと言いますが
祖父の代からあるこちらも大きな木です。理由はわかりません・・

 

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拡大すると花の形がすごくカワイイのです
↓↓ 

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他の町に出かけても、どこからともなく良い香りがすると
どこで金木犀が咲いているのだろう??
と探し始めるのですが、結構遠くでもかおるので
わからないときもありますね。

さて・・・
唐代玄宗皇帝の愛した楊貴妃が、好んで飲んだと言われている
「桂花陳酒」はキンモクセイの花をつけたお酒なんですね~

日本で「桂の木」と言えば葵祭に飾るハート形をした葉なんですが、
どうしてキンモクセイとつながるのか謎です・・・

お読みいただきありがとうございました

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「山芍薬の智恵」

皆様いつもご覧頂きましてありがとうございます

さて・・・季節外れの題名となっていますが、
初夏に凛とした白い花を咲かせるヤマシャクヤクですが、
じつは今頃に実をつけます。

 

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中央右よりの赤が目立つのがその種です。

薄や女郎花、藤袴や桔梗など、
奈良時代の歌人山上憶良が詠んだ秋草の取り合わせに、
赤が鮮烈な山芍薬の実を中心にすえました。

赤が目立つこの実ですが、これを植えても芽は出てきません。
これはカムフラージュで、この赤い実を食べて!と、
鳥にアピールするためです。

そして鳥もまたぐ(笑)黒い実が種となります。
これを植えると翌春には芽が出てということになるのですが、
もう一つこの植物には智恵があって、・・・

すべての種は、明くる年には発芽しないそうです。
日照りや干ばつで、種を結ぶまでに枯れてしまう可能性を考えて、
翌々年に発芽する種を用意しているのだそうです。

この実、山野草を置いてられるお花屋さんで偶然見つけたのですが、
来年に向けて、この黒い種植えてみたいと思います。

もし発芽したらまた報告しますね!

お読みいただきありがとうございました。

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ヒシの実

この週末はずいぶん涼しくなりましたが、
せっかくのお休みですので雨ですね。

子供の運動会も延期になりそうで、
てるてる坊主片手に少し残念そうです。

・・・
去年も書いたかもわかりませんが、
すこし変わった「実」をご紹介します
(書くと決めたので去年の記事は見てません・・
それを基に書いてしまいそうですので・・)

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↑↑↑「ヒシ」の「実」の全体 下が剥いた実です

サツマイモの色をした固い皮に覆われ、
二つの足が伸びたように変わった形をしてます

この皮をはがして、割れないように実を取り出して
表面の紫色の部分をきれいにのぞいてやると、
写真のように真っ白になります。
逆に・・これを剥くと手や爪は真っ黒になってしまいます

大昔、食料が豊富でなかった頃にどなたかが初めて食べたんでしょうね
見た目からはどうしても食べられそうに見えません。

蒸して塩を振ったら、結構良い酒のあてになりそうです。
それもそのはず、栞には抗ガン作用や胃痛に効くなどと書いてあります

栗ご飯のように、菱の実ご飯にしてみようと思います
サクサク・モッチリと独特の甘みを楽しめます

お読みいただきありがとうございました。

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彼岸の入り と 秋のGW

皆様 こんばんは

早いもので9月も下旬を迎えましたが
秋風はどこで吹いているんでしょうか。

本当に暑いですね!!

 

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残暑の厳しい彼岸の入りを迎えたましたが
汗を流しながらも
はやお墓参りをされた方もいるのではないでしょうか?

さて・・・今年は日曜日と重なった「秋分の日」
ご存じのように、「秋分の日」は固定ではありません。
どのようにきめるかというと・・・
国立天文台の観測によって作成された「暦象年表」にもとづき
閣議決定された「春分」「秋分」を官報によって広められるそうです 

ハッピーマンデーの施行いらい、
少し影の薄くなった秋分の日ですが、
なんと!2009年には秋にゴールデンウィークがやってきます!!

なぜなら・・・
第三月曜の「敬老の日」の翌々日
つまり水曜日に「秋分の日」がくれば
間にはさまれた日は、平日の火曜日であっても「国民の休日」となって
土曜から数えると5連休が成立します!!!

2009年9月19日が土曜日あたりますので
20日(日曜日) 21日(敬老の日) 22日(国民の祝日) 23日(秋分の日)
てな具合です

(もしこれをお読みになっている市場関係者の方がいらっしゃったら
是非とも臨時開場日を設けてください←お願いします!!)

年賀状の申込みチラシやら、作成ソフトのDMを目にする季節となりました
再来年の話をすると「不謹慎」だと怒られそうですが、
温暖化がこれ以上進まないことを切に祈るばかりです

いつも不定期で申し訳ありません・・
2009年にはこの「さくらい徒然」どうなっているんでしょうか??

いつもいつも
お読みいただきましてありがとうございます!!

 

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明神川一斉清掃

敬老の日の今日、早朝より弊店の
前を流れる明神川で川の掃除がありました。

毎年9月中旬に、明神川美化保存会主催で行われます

  

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昨夜からの雨が心配されましたが
ときおり薄日のさすなか早朝からたくさんの地域の方々が
水の止めてある川の中で清掃協力されています

毎年私も参加しているのですが
以前に比べカンやビンの数は少なくなっていると感じました。

ゴミの数は少なくなっているのですが、それでも藻や小枝を集めると
結構な量になります

 

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明神川美化保存会は、
(財)琵琶湖・淀川水質保全機構が主催する
BY(ビーワイ)スタンプラリーに参加していて
淀川に注ぐ桂川水系の一員として会長さんが
精力的に活動されております。

詳しくは BYスタンプラリー をご覧ください

不定期で申し訳ございません

お読みいただきありがとうございました

 

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久しぶりの散歩-その二-紫式部と片岡社

上賀茂神社のご本殿へと通じる楼門の手前に
第一摂社・片山御子神社があります。
こちらは賀茂別雷神の母神にあたる
玉依比売命(たまよりひめのみこと)が
お祀りされております

  
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この社のかたわらに、次のような案内がありましたので
ご紹介させていただきます

来年平成二十一年に「源氏物語千年記」を迎えますが、
その筆者 紫式部が新古今和歌集の第三巻夏歌に

「ほととぎす 声まつほどは 片岡の
     もりのしづくに たちやぬまれし」 
                   と詠んでいます

解釈が付いておりまして
上賀茂神社に参拝に来られた紫式部は
(将来の結婚相手を例えた)ホトトギスの声を待ちわびる間は、
この片岡の社の下に立って、朝露のしずくに濡れていましょう・・・

と平安時代より縁結びの神様と知られた片岡社に、
光源氏の壮大な物語を描いた紫式部でさえ、
みずからの恋の成就を願ったのではないでしょうか。

 

sakurai2007-09-04 (1).jpg

 

その横には、御物忌川(おものいがわ)が
山すそをそよそよと流れ何とも情緒があります

暑さも山を越え、
ツクツクボウシの蝉の声もずいぶん薄れ
ヒグラシの声が風情豊に響いています。

夕方には涼しさを感じらるようになりました。
お出かけの際は、
平安のみやびな世界に思い馳せられてはいかがでしょうか

お読みいただきましてありがとうございました。

 

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