夏の花

昨日のお花の稽古は
風に揺れる姿が涼しさを演出するカルカヤ
小さな深紅がまぶしいヒメユリ
出始めのオミナエシ
瑠璃色をしたルリトラノオ
清潔感のある白いリンドウ
でした

 

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カルカヤは水切をしてから葉を
親指と人差し指で挟んでやさしくのばしていきます
こうしないを葉はすぐ丸くなり、風に揺れなくなります
カルカヤの高さと方向を決めるには、少し苦労します。

岡虎の尾や沼虎の尾はやさしく
こぢんまりしているのですが
瑠璃虎の尾は今頃になると穂がのび
先が鋭いような感じがします

このところの暑さで
急に夏本番の感じがいたしますが
涼しげな花を心がけたいと思っております

寝苦しい熱帯夜には
ついついやすむ際もクーラーを弱めにかけがちです。

どうぞみなさまもご自愛ください。

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鰻茶漬け

土用の丑は過ぎてしまいましたが、
蒲焼きとはちがい、白焼きの後 酒と醤油でしんみりと焚いた
鰻茶漬けはウナギをを味わうもう一つの方法です。

 

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そのままでも、お酒の肴にじゅうぶんなるのですが
やはり熱いご飯にのせて、お茶を注ぎましょう。
柔らかく箸を入れるとほろほろと皮と共にさばけるウナギは
滋味豊かでお茶漬けならではの味です。

 

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上にはしその葉を細かくきざんだものをあしらっております。
実山椒の刺激と共にお楽しみ下さい。

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土用の入りと鱧切り動画

今日7月20日は土用の入りです。
土用とは立春・立夏・立秋・立冬の前の18日間をいうのですが、
現在では立秋前の土用が一般的で、
中でも土用の丑の日に鰻を食べることで
暑気を払うということがもっとも知られていると思います。
京都だけのことなのかもしれませんが、
土用の入りには「あんころ」を決まったように食べます。
ウナギを食べるように精を付けるためでしょうか。
でも今年は長雨が続き、半袖では少し寒いような気がします。

先日 トップページの更新履歴に
「鱧の骨切り」の動画を上げさせていただきましたが
わかりにくいとの声がありこちらにも記させていただきます
http://www.sakurai-jp.com/movie/hamo.wmv
しゃっつしゃっつと音のする骨切りですが、
雑音が入ってますことお許しください。

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祇園祭の鰻やき

錦小路通室町の霰天神山(あられてんじんやま)をもう少し西に進むと、
今月13日に当ブログに書かせていただいたうなぎ焼の出店があります過去記事参照

 

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所属の魚菜組合青年会・有志による夜店で、
「井傳」さんの軒先をお借りして三河産の鰻を
備長炭で焼いたこだわりの蒲焼きをお出ししています。

 

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丼500円・蒲焼き400円・ビール400円と
適度にのった脂・タレの芳ばしさ、炭の香りを味わっていただくと
今年5年目でリピーターが多いのもうなずけます

 

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いつもと違って調理場から出て、お祭りの場所で大きな声を出さしながら
ウナギを焼くのも新鮮なものです

16日宵山23:00頃までしております。
宵山にお出かけのさいは是非お越し下さい。

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鱧(ハモ)の子

産卵期を前に旬を鱧はたくさんの子(卵)を持ちます。

鯛・蛸・鮎・平目など子を食べる魚は数あれど、
最も弾力がありプチプチとした食感を楽しめます。

血合いや腹膜をきれいに取り去り、
湯にしてから一晩水にさらします
しっかりと味をつけた出しに浮き袋を一緒に入れ
生姜の風味を少しつけ焚きます。

 

 

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仕上げに卵で〆めます。
ふわふわの卵の中に、プチプチとした鱧の子がおどり
濃厚な味をお楽しみ頂けます
青柚の表皮をおろし金ですり、上にたっぷりとのせて。

 
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笹百合

 

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ササユリは清楚で上品なユリです。
山々に咲いている姿は見たことないのですが、
一般の市場には流通しない山どりの花です。

色の白いものと淡いピンクのものがあるのですが、
どちらを得られるかは時の運でしょうか・・・

お客様のいらっしゃるころに、もっともきれいなように
開花するタイミングを計って花を選びます

 

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今回は鮮やかな薄ピンクのものを、
縞葦(シマアシ)、岡虎の尾とあわせました。

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祇園祭りは鉾立もすみ、市内中心分はすっかりお祭りの雰囲気で
駒形提灯には灯がともり、「コンチキチン」の音色が聞こえてきます。

五月の葵祭りといえば鯖寿司なのですが、
祇園祭は鱧のお祭りとして知られ、鱧寿司がよくお遣いものにされます。

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さくらいでは一本一本厳しく選んだ身の分厚い活鱧を、骨切りののち、
追い足し追い足しし守ってきたタレをかけ炙った熱々の鱧を、
酢飯のに乗せなじませます。

 

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お中元の品にもお使いいただき、みなさまからお喜びいただいております。

祇園祭は、14日から歩行者天国となり宵々々山から16日の宵山、
17日のクライマックス山鉾巡行を迎えます。

この歩行者天国にあわせ、多くの露天が軒を並べるのですが
所属の魚菜組合青年会では、ウナギの蒲焼きと丼をお出ししています。

場所は錦通りの西洞院東いる「井傳」さんの軒先です。
祇園祭の出店は星の数ほどありますが、鰻をお召し上がりいただけるのは
こちらだけです!お出かけの際はどうぞお立ち寄り下さい。

今年は巡行が海の日の三連休と重なり、
多くの人がお出かけになられるようですが、晴れるように祈っております。

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季節の八寸 ご紹介

夏に八寸のご紹介です
切り子四方皿に前に書きました梶の葉を敷いて・・・

猪口には鱧の子ふわふわ卵〆 白だつ(ずいき)ごま和え タコ酢の物と三種を少しずつ
そして八幡巻き・新サツマイモ 夏鴨ロース蒸・鮭温薫絹巻きを

 

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お客様にお出しするときは、切り子の表面にさっと露が付き、
涼をよぶ仕立てとなっております。
いろいろな味をお楽しみいただくと、お酒の進むこと間違えありません。
ご紹介まで

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梶(カジ)の葉と七夕

7月7日の七夕は、もともと中国の魔除けの故事にはじまり
いつしか牽牛・織女の伝説とリンクしたようです。
機織りの上達をまた詩歌などの芸事の上達をも祈られていました。

「乞巧奠」(きっこうでん)という平安時代宮中の儀式が
賀茂曲水の宴で歌を詠まれる冷泉家で続いています。

庭に星の座が作られ、牽牛と織女へのお供え物がきらびやかな飾りと一緒に供えられ、七夕を詠んだ歌が梶の葉に記されます。

 

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この葉の形は、自然が作り出したとは思えないほど角張っているので、
いにしえの人々は夜空の星への思いをこの葉に模したのでしょうか。

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七夕のお花

あいにくの曇り空の七夕ですが、和花の世界の出合いをご紹介します

まずは桔梗 万葉集・山上憶良が詠んだ秋草の歌に出てくる最後、
朝貌(アサガオ)の花と詠まれているのが今のキキョウです。

当時は朝に咲く花をアサガオと呼んでいたそうですが、
現代のアサガオは漢方薬で別名 牽牛子(ケンゴシ)と呼ばれ下剤の効果があるとか。
全く関連がないわけではないのですが、桔梗はなぜか七夕の牽牛に見立てられます。

次に唐糸草 ピンクのうぶ毛のような繊細な糸を広がらせるカライトソウは
その名に付く糸から織女に見立てられます

 

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昔の風流人は、いとも典雅な結びつきを季節事に考えられたものだと・・

ちなみに何故アサガオが牽牛子と呼ばれたかは、
昔々、具合の悪い王様にある少年がアサガオの種を薬として献上したとか。
この種を服した王様は回復し、褒美に牛を一頭与えられ牽いて帰ったそうです・・中国の言い伝えより

足下には半夏生(ハンゲショウ) を

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